マンションを借りようと思うと、必ず出てくる言葉が「敷金・礼金」。
両方とも、代表的な初期費用ですね。
どちらもけっこうな金額ですが、一体何に使われているのでしょう?
ちょっと、調べてみました。
INDEX
では、さっそく説明していきますね。
敷金とは?
敷金は、大家さんに支払います。
地域や物件によって違いますが、だいたい家賃の1~2か月分が相場です。
では、敷金はどういう費用項目なのでしょうか?
敷金は、主にこんなことのために使われるお金です。
- 家賃を滞納した場合の補てん
- 借主の過失で物件を壊した場合の修理
つまり、敷金は保証金の意味があるのですね。
(実際、関西では敷金を「保証金」と呼ぶところもあります)
ですから、退去する時点で何事もなければ、敷金は全額戻ってくるべきものです。
- ポイント
- 長期間マンションで暮らせば、何かしら汚したり傷がついたりします。これが通常損耗の範囲であれば、修繕費用は大家持ちになります。
- たとえば、壁紙が日焼けするとか、ベッドの脚がこすれて床に細かい傷がいくとか。日常生活で必ず起こるような損耗なら、あなたの敷金から払う必要はありません。
- しかし、通常損耗の範囲があいまいなので、退去時にトラブルになるケースが多々あります。
- ちゃんと契約のときに確認しておき、入居前にいたるところの写真を撮っておきましょう。念のため、保険も忘れずに!
関西では「敷引き」と言う商慣習があります。
あらかじめ、保証金から20%~50%程度差し引いて返すと決められているのです。
これも根拠があいまいなので、よくトラブルになっているようです。
できるだけ、トラブルなんか経験せずに退去したいところ。
大家を選ぶと同時に、ローカルルールを知っておくことが大事ですね。
礼金とは?
もともと、礼金は「大家さんへのお礼」の意味だったそうです。
その名残が今も続いている・・・というのがよくある解釈みたいです。
相場は家賃の1か月未満~2か月ぐらい。
こちらは、謝礼の意味なので退去時に戻ってきません。
- ポイント
- 昔は、遠く田舎から上京する子供がたくさんいました。
- それで、大家さんに「もし、子供に何かあったらよろしくお願いします」とお金を渡したのが礼金の始まりだとか。
- 実家とすぐに連絡がとれず、大家が親代わりになってくれた時代の風習ですね。
大家の立場から見ると、敷金は借主に返さないといけません。
礼金は自分のものになります。
ですから、おおざっぱに言うと「家賃+礼金」が収入になります。
もうひとつ。
大家にとっては、長期で借りてくれる人の方がいい顧客です。
短期が続くと、メンテナンス費用がかさむからです。
そこで、家賃を少し休めにして礼金を上げるケースがあります。
こうすることで、短期の人を遠ざけ長期の人を呼び込むことができます。
敷金・礼金なしの物件は良いの?悪いの?
賃貸マンションを探してみると、敷金・礼金ゼロ円という物件があります。
しかも、徐々に増えてきているようです。
いっぽう、根強く敷金・礼金をシッカリ取る物件もあります。
単純に「敷金・礼金ゼロ円」物件の方がお得なのでしょうか?
これは、トータルコストで考える必要があります。
つまり、居住期間にどれだけ費用がかかるかすべて計算しておくのです。
- 家賃
- 水道光熱費
- 家具・家電購入費
- 敷金(保証金)
- 礼金
- 退去時の修繕費用
まずは「住む期間の家賃合計 + 礼金」で計算してみましょう。
長期なら、「礼金ゼロ」より「礼金あり」の方が安いケースもあります。
敷金ゼロも、注意が必要です。
もし過失で物件に傷をつけたら、退去時に修繕費を払うことになります。
敷金を納めていたら、敷金から修繕費が引かれて返還されます。
けっきょく、先に払うか後から払うかの問題ですね。